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泌尿器科の病気Urologic Disease

前立腺肥大症とは?

特徴

50歳以上の男性の5人に1人ぐらいがこの病気になると言われています。男性に固有の前立腺が年齢とともに大きくなり、膀胱や尿道を圧迫し、排尿障害を起こすものです。

原因

加齢や食生活を含めた生活環境の欧米化などが考えられています。

症状

・おしっこの回数が増える
・夜中にたびたびおしっこに起きるようになる
・おしっこをしようとしてもなかなか出ない
・出始めてから終わるまでに時間がかかる
・若い頃に比べ、おしっこの勢いが衰える
・がまんできずに漏らしてしまうことがある

検査

前立腺の診察(直腸的)、PSA(前立腺特異抗原)血液検査、超音波検査などを行います。

治療法(薬物)

α1遮断薬:前立腺や尿道の筋肉の緊張を和らげ、おしっこを出しやすくします。
PDE5-阻害薬(新しい薬物療法):前立腺・尿道・膀胱頚部・平滑筋の弛緩作用による排尿改善
5α還元酵素阻害薬:前立腺を直接小さくします。
植物製剤、漢方薬、アミノ酸製剤:炎症を抑える作用があります。

治療法(手術)

重症例や薬の効果が不十分な場合などには手術が必要です

前立腺肥大症 Q and A


前立腺癌とは?

特徴

前立腺癌検診で日本人の男性の50歳以上の80人に1人発見されている前立腺癌は、アメリカにおける男性のがんで最も多く、死亡率の第2位を占める社会問題となっております。日本でも欧米型の生活様式(ライフスタイル)の変化に伴い近年最も急速に増加傾向にあるがんの一つと言えます。2015年の国立がん研究センターの「がん罹患数予測」で男性が罹るがんの第1位になっています。しかしながら前立腺癌も早期に発見すれば治る可能性の高いがんです。前立腺がんの発見と診断には前立腺・泌尿器ドックや前立腺検診などが不可欠です。

症状

前立腺がんは前立腺の外側の外腺と呼ばれる部分から発生するため、初期には症状がほとんどありません。前立腺肥大症のような排尿困難などの症状がでるのは遅れがちです。

診断

直腸診(前立腺の触診)、前立腺特異抗原(PSA)採血、エコー検査など(泌尿器ドックと放射線治療へ)

治療

早期発見の前立腺がんは放射線治療・根治手術が主体。進行例ではホルモン療法が主体となります。詳しくは拙書「図解 前立腺ガンは怖くない!」を読んで下さい。

慢性前立腺炎とは?

特徴

こんな症状があると前立腺炎が疑われます。
・残尿感
・尿が近い
・尿をした後、尿道にツーンとした感じが残る
・尿が出にくい
・陰のうと肛門の間あたりに何となく不快感がある
・精液に血が混じる

原因

バイ菌の感染で起こる細菌性とバイ菌がないのに起きる非細菌性があります。非細菌性のものは、クラミジアなどによる性感染症やアレルギーや冷えなどが原因とされますが、精神的な要素も加わり、治りにくいことがあります。

予防

慢性前立腺炎は、前立腺肥大症と違い若い人に比較的起こりやすいものです。疲労や飲酒、精神的なストレスが影響しています。心にゆとりを持って、からだに無理をさせないことです。長時間の座位もできるだけ避けましょう。不謹慎な性交をしないようにしましょう。

尿管結石症とは?

症状

七転八倒の痛み、「死ぬほど痛い」病気といわれているのが泌尿器系の「尿管結石症」です。この痛みは尿管内に結石が落ちることで尿流の通過障害のために急激な腎孟内圧の上昇が生じることによるものと考えられています。また、この痛みは「せん痛発作」と呼ばれ、一般には小さい結石ほどその痛みは強く「尿管結石はイヌの遠吠えのごとく、小さいものほどよく吠える」と例えられています。この病気の他の症状としては、血尿を生じることが多く、このため尿検査とレントゲン検査などで比較的容易に診断がつきます。

原因

大半は原因が不明ですが、体質や食生活なども原因の一つと考えられています。特に腎、尿管結石は1920年頃からヨーロッパの各地で増加し、日本でも10年以上遅れて増加してきており、食生活に変化が原因の一つと考えられています。

治療方法

治療法は5ミリ以下の小さな結石は水分を多くとり、ランニングや縄とびなどの運動をすることで大半は自然に出てしまいます。しかし、大きな結石や痛みを繰り返す場合は手術療法が必要です。